今年の『Ars Electronica 2016: RADICAL ATOMS and the alchemists of our time』にて換気扇を電子楽器として蘇生させた楽器『換気扇サイザー』で3会場でのライブ・パフォーマンスを行ってきました。今年はDOMMUNEによる現地からのライブ/トーク配信もあり、思い出深い年になりました。トークは電子音楽の父(自分にとっては祖父)である冨田勲さんメモリアルで小室哲哉さんと一緒に登壇。蓋を開けてみると全編英語という悪夢で、英語の喋れない自分は真っ青になり、その後真っ赤になりながらのトークとなりました。。小室さんに「何故電子音なのか?」という質問をすることも、完全に忘却しました!
冨田勲さんの音楽からは語りきれないほど多くのものを受け取ってきました。小学時代に父親の部屋で見つけたカセットテープで初めて出会った『展覧会の絵』『惑星』は、聴いた瞬間にまぶたの裏側に思い浮かんだポヨンポヨンと飛び跳ねる抽象的な映像や、クネクネと動く異星人のようなイメージも鮮明に記憶に刻まれています。機械は「歌う」ということ。電子音が宇宙と密接に関係していること。宇宙は目に見えない生命(振動)に満ち溢れているのではないかということ。かつて、明るい未来のイメージがあったこと。しかし、その明るさは失われたかもしれないこと。光と影は一体であること。。そんなことを冨田さんの音楽を聴く度に想います。
焼き鳥屋の必需品、年末掃除の敵である換気扇の中にも確かに宇宙が宿ります。光だけでも影だけでも音は出ず、羽根の回転運動によって光と影が繰り返されることによって初めて波=音が生まれます。羽根の枚数が倍になると音はオクターブ上がり、回転運動は反復を生み出します。光と影、規則性とノイズ、それらがぐるぐると回り、その向こうに宇宙の謎と神秘があることを換気扇は鳴きながら教えてくれます。
羽根の設計をサポート頂いた山本惣一さんと、支えてくれたNICOSメンバーに感謝です!
LINK
DOMMUNE Archive:https://www.youtube.com/watch?v=2bZ7eAQaL6M
Ars Electronica Photo Archive:https://www.flickr.com/photos/arselectronica/collections/72157666917960322/
fuze.com "和田永:失われた「換気扇」の叫びを電子音楽に変えるアーティスト":https://www.fuze.dj/2016/09/kankisenthizer-ei-wada.html
about 換気扇サイザー│The Kankisenthizer:https://eiwada.com/projects/#/projects/exhaust-fancillator-from-ef/
WIRED.jp 対談記事掲載
8月2日に行われたWIREDの日本語版編集長の若林さんとの対談が記事になりました。
妖怪化する家電、ガルーダのトラウマ、文明砂漠の曲がり角に蟹の足、電化の先にある宇宙、あの人も宇宙人説、電化する伝統と神話、希望と混乱を解き放つ蟹の足、茨城県北芸術祭での取り組みについて話しています。小学時代にカセットテープで作曲した『冷濁色のブラウン管』も初公開!是非、ご覧ください。
家電は妖怪となり宇宙のノイズを奏でる:和田永【KENPOKU ART 2016 参加アーティストトーク #1】
http://wired.jp/2016/08/22/kenpoku_wada/
日立アジト開門!
『エレクトロニコス・ファンタスティコス!in 日立』の活動拠点=アジトが日立市常陸多賀駅前商店街(多賀パルコ)の一角に開門しました。廃家電蘇生術によって、ブラウン管TV、ラジオ、扇風機などを電子楽器化させ演奏、楽団を結成しようと企てています。着々と家電が集結しつつあります。今後の展開をお楽しみに。
日立アジト開門!
『エレクトロニコス・ファンタスティコス!in 日立』の活動拠点=アジトが日立市常陸多賀駅前商店街(多賀パルコ)の一角に開門しました。廃家電蘇生術によって、ブラウン管TV、ラジオ、扇風機などを電子楽器化させ演奏、楽団を結成しようと企てています。週末には地元の方々が集う謎の交流場となり、次々とブラウン管TVが寄付されています。今後の展開をお楽しみに。
扇風機楽器産卵!
墨田区本所の制作拠点にて、新たな妖怪の産声があがりました。寄付のあった扇風機をNICOS LABが電子楽器として蘇生!参加メンバーでエンジニアの武井祐介さんが光の明滅を電気信号(音)に変える電子基板=NICOSeedを制作、それを使ってニコスメンバーが各々扇風機楽器をつくる試みに挑戦し、『扇風琴』もその中で産まれました。送り出すのは風ではなく南国風の電子音!弱・中・強のスイッチは転調のスイッチへ!
今後の発展をお楽しみに。
ミュージカル『わたしは慎吾』音楽演奏
12月から始まる楳図かずお原作のミュージカル『わたしは慎吾』の音楽演奏をOpen Reel Ensembleとして担当します。演出は学生時代からの憧れの奇才、フィリップ・デュクフレ氏。音楽家のトクマルシューゴさん・阿部海太郎さん、そして鍵盤奏者のトウヤマタケオさんとコラボレーションしながら音楽をつくっていきます。よろしくどうぞ!
『わたしは慎吾』
主演:門脇麦 / 高畑充希
原作:楳図かずお
演出:フィリップ・デュクフレ
音楽:トクマルシューゴ / 阿部海太郎
ミュージシャン:トウヤマタケオ / Open Reel Ensemble
日程・チケットの詳細は公式サイトへ:http://watashingo.com
『兵士A』コメント寄稿
七尾旅人さんの映像作品(DVD)『兵士A』にコメントを寄稿しました。日本の戦後に終わりを告げる特異な存在であり、このままいけば近い将来現れることになる1人目の戦死自衛官『兵士A』に扮した七尾旅人さんが約100年間のスパンで描き出し歌う衝撃的な作品です。是非、ご覧ください。
LINK
http://www.tavito.net/soldier_a/
「エレクトロニコス・ファンタスティコス! in 日立」オープンミーティング開催!
「エレクトロニコス・ファンタスティコス!in 日立」のオープンミーティングを開催します。
音楽好きや電子電波好きの方、日立市・常陸多賀で芸術祭に向けて作家と一緒に活動してみたい方、色んな方のご参加をお待ちしております。
日時 : 2016年7月10日(日) 13:00-15:00
場所 : 旧かどや(DigitalDish design inc.)茨城県日立市千石町1-11-21
予約不要・入場無料
KENPOKUへ向けてはやくも動き出した和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス! in 日立」。5月のWSに続いて、6月にはニコスラボ in 日立チームも立ち上がり、今回は「オープンミーティング」と題して、
・和田永の実演
・地元でものづくりをされている方をお招きしたトーク
・新しい楽器のアイディアを出す大喜利
などを行います。
参加ご希望の方は会場に直接お越しください。
LINK
https://www.facebook.com/kenpokuart/posts/1033416530087576
渋谷のラジオ 生出演!
7/2(土)「NICOS LAB」Talk&WS開催!
使われなくなった家電を電子楽器として蘇生させる組織「NICOS LAB」。多様な専門分野、幅広い年齢層が協働する「楽器開発R & Dプロジェクト」が7/2(土)に新規メンバー募集を兼ねた妄想Talk&WSイベントを開催します。消費後の役割を終えた電化製品達。それらにマニュアルを逸脱した電子楽器化(一種の妖怪化)の道を!そしてそこから響き渡る失われし未来のオルケストラに耳を澄ませ、現代人のための奇祭を覗き見る!現在進行形の長期プロジェクトです。興味のある方は是非お気軽にご参加ください。
予約不要・参加費無料
日時:2016年7月2日(土) 13:00-16:00
場所:WIRED Lab.(東京都港区六本木1-3-40 アークヒルズ カラヤン広場 スペイン坂入口)
アクセス:地下鉄南北線 六本木一丁目駅(3番出口)から徒歩2分/地下鉄銀座線・南北線 溜池山王駅(13番出口)から徒歩4分
出演:和田永(ミュージシャン/アーティスト), 武井祐介(Nicos Lab), 有坂庄一(テックショップジャパン株式会社代表取締役社長), 芦部玲奈(アーツカウンシル東京), 清宮陵一(NPOトッピングイースト代表), 若林恵(『WIRED』日本版編集長)
公式詳細情報 : http://wired.jp/2016/06/22/event-nicos-lab/
お問い合わせ先 : NPO法人 トッピングイースト (info@toppingeast.com)